ポテトのカセロール、アンソニィ風

伊丹十三が僕に教えてくれたのは「ポテトのカセロール、アンソニィ風」であった。簡単で美味しくておしゃれで、ひとりふぅふぅ言って食べていた。

2012年2月24日
伊丹十三宮本信子夫妻のことを語る番組があった。明日も続く。伊丹と言うと、我々にとっては兄貴と言った風な人だ。かっこいいことなら何でも教えてくれた。でも今やすっかり忘れていた。でもときどきちらちらと思い出したりはしていた。この部屋の本箱の片隅にポテト・ブックの背表紙がいつも見えているからだ。でももう手に取られることはなかった。今晩久しぶりに伊丹さんのはにかんだような懐かしい顔を見て、取り出してみた。かつてこの本の中のレシピから作った料理があったけれど何だったろうと探してみたら、紙片が挟まっていた。「ポテトのカセロール、アンソニィ風」ジャヤガイもとタマネギを交互に重ねて牛乳をかけてオーブンに入れるだけ。簡単でおいしい。何十年ぶりかでその味がよみがえってきた。トゥルーマン・カポティが序を書き、ポール・ディビスが表紙を描くその本は今でもかっこいい。

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